2024.07.05 中国ビジネスサポート

【中国税務】PEシリーズ①:PEとは何か?

#中国税務
【中国税務】PEシリーズ①:PEとは何か?

中国ビジネスを行う上でPE課税の問題が生じるケースが多く、実務的にも頻繁に質問を頂戴することがございます。非常に重要なポイントですので、数回に分けてPE課税に関する解説をさせて頂きます。

1. 恒久的施設(PE)とは

中国に現地法人を設立する場合、当該現地法人は中国企業として法人格が付与されますので、当然、中国で企業所得税(日本の法人税に該当します)を課されることになります。ここで、中国に現地法人を設立せずに、法人格のない支店を設立して事業を行う場合に企業所得税が課されるのか疑問に思われると思いますが、法人格がない支店であっても、所得が生じれば現地法人と同様に企業所得税が課されることになります。

このように事業を行うための拠点を恒久的施設と呼びます。英語では、Permanent Establishmentとなりますので、その頭文字をとってPEと呼ばれることが一般的です。中国ビジネスを行う日本企業が、中国国内にPEを有していると判断されると、中国で企業所得税が課されてしまうことになるため、どのようなものがPEに該当するかが非常に重要になります。以下ではどのようなものがPEに該当するのかについてご説明致します。

2. 中国税法におけるPE

企業所得税法実施条例において、以下のものがPEとして列挙されています。

(1) 管理機構、営業機構及び事務機構
(2) 工場、農場及び天然資源を採掘する場所
(3) 役務を提供する場所
(4) 建築、据付け、組立て、修理及び探査等の工事作業に従事する場所
(5) 生産経営活動に従事するその他の機構、場所

また、非居住者企業が営業代理人に委託し、中国国内で、①経常的に自己に代わって契約を締結させ、又は②貨物を貯蔵・保管や引き渡しを行わせる場合に、PEとみなされる旨が規定されています。

3. 日中租税条約におけるPE

日本企業が中国国内にPEを有するか否かの判定を行う場合、日中租税条約におけるPEに該当するか否かにより判定されます(中国税法よりも日中租税条約の規定が優先適用されます)が、日中租税条約において、以下のものがPEとして列挙されています。

(1) 事業の管理の場所
(2) 支店
(3) 事務所
(4) 工場
(5) 作業場
(6) 鉱山、石油又は天然ガスの坑井、採石場その他天然資源を採取する場所

また、6ヶ月を超える期間、建築工事・組立工事・据付工事を行う場合や、任意の12ヶ月間で6ヶ月超にわたりコンサルタントの役務提供を提供する場合にもPEを有するものと判断されます。さらに、反復継続的に日本企業に代わって中国国内で契約を締結する、注文を受ける者(代理人)についてもPEであるとみなされます。他方、単純に商品の保管・展示・引き渡し等を行うだけではPEとはみなされない旨が明確にされています。

PE認定の詳細につきましては、次回以降に解説させて頂きます。

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